2016年11月

魔法の味に出会う旅…

あれはまだ、私が二十歳代のころ…突然カレーの奥の深さに魅入らされた。
それは、とある料理番組か何かだったように記憶しているが、
『るー』を使わずに、香辛料といくらかの具材だけで素晴らしいカレーを作っているのだ。
子供のころから、好きな食べ物ベスト3の座を明け渡すことなく、
今日までお蕎麦と競って来た黄金の味!カレーライス!!
そしてその番組に感化されてカレー作りに挑戦したのですが…
当時の私には、知っている香辛料は胡椒と唐辛子くらいなもので、
ぼんやり見ていた番組を思い出しながら鍋で煮え立ったお湯の中に適当に刻んでは放り込んで味見する。
…なんかちがう…
カレーとは程遠い味に『とにかく辛くせなあかん…』
ウスターソースとケチャップの魔力を借りて色だけは何となくカレーに近づけるのじゃ…
その後数時間奮闘した記憶までは残っているのだが、
カレーらしき物体がどうなったのかは今も思い出せないのです。 深山カレー1

『100年前のライスカレー』…
その文字を初めて見たのは三年前の厳冬の日でした。深山2深山

ここは奈良井宿の街道から少し離れた所にあるカフェ『深山』
ホテルからは、車で90分程の所にあるのです。
大正時代の建築物を移築復元した古民家で頂く、その時代のレシピを再現したライスカレー。
原型をとどめないほど具材が煮溶けてしまっているのですが、それらの旨みが引き立つ味に仕上がっていて、
またひとつ、木曽の地域で素敵なお店を見つけた喜びにひたった晩秋の日になりました。

 深山3

トラジャコーヒー
カップのふちをなぞる様に揺らめく白い湯気に見惚れていたら、すっかり冷めてしまったのです。
また来るよ…そんな気持ちにさせる素敵な空間でした。

ここ奈良井宿では毎年2月の厳冬期に、美しい氷灯籠に灯がともされます。
ぜひこの美しい揺らぎの中に心をやすめに来てくださいね。IMG_3129IMG_3103

山の中で過ごす至福の時間・・・

閉山祭2

今年も上高地閉山祭が無事執り行われました。
毎年この日…11月15日に河童橋のたもとで執り行われる神事・・・
濃い乳白色のガスがかかる穂高連峰をみあげていると、
この場所にまた…来れる事の幸せを感じます。
河童橋のたもとは時折小雨が降り、
その中を差し込む一瞬の光に映しだされる鮮やかな緑色と
光りの幕が下ろされた時のその色彩のかわりゆく様は、
一喜一憂にも似ているのかな…
などと想いながら、そんな人のこころのうつろいにも似た
景色に見惚れていたりするのです。閉山祭4

 

橋のたもとには、山行を無事におえた達成感とご褒美に、
必ず立ち寄るティーラウンジ『5HORN』があります。
そして今日は特別な日…
今年一年の感謝をこめてコーヒーをいただくのも、
ほんとうに至福の時間なのです。閉山祭1

ここ上高地では、閉山祭をもって、上高地の全施設は営業を終了いたしました。

また来年の春・・・ここで素敵な時間を過ごせますように・・・閉山祭3

 

暖簾の誘惑にうちかつには…

新蕎麦の季節が来ましたね。
休日の度に、そして帰宅途中でついついお店の引き戸を引いてしまいたくなる衝動に駆られます。 新行古家荘蕎麦

目的地に向かう途中で、いつも気になって仕方がない蕎麦屋がありました。
それは大町美麻の新行地区にあり、ここ穂高ビューホテルからはおよそ40分。
民宿の看板がかかっていたりするのです。 新行古家荘蕎麦2

『古家荘』…以前ドラマおひさまの舞台にあった蕎麦畑でできる蕎麦
雪の多い地域にあって、自家栽培のおそばをそば粉にしてすぐに打つ…
これが、お蕎麦独特の甘さをひきたてているそうなのです。
お蕎麦が出来るまでの少しの時間、座敷に座って思うことは…
その少しばかりの時間が、ほんとうに贅沢のよう。
ですが、そんなことを考えるのも幸せな事なのだと思うのです。

そしてもうひとつのたからもの…上條1上條2

穂高駅から徒歩15分ほど…ここに穂高蕎麦『上條』があります。
辛み大根のおろしに薬味を入れて、趣向をかえて蕎麦を召し上がる。
食べてみたのはおしぼりそば。
薬味は長ネギと信州味噌
味噌を入れたらさらに辛みが増したような気がします。
こんなお蕎麦の食べ方もあるのですね。上條3

蕎麦のアイスクリームは風味がさわやかで絶品です。そしてパイのりんごの味も忘れられないものとなりました。

ここは昔、ペンションを経営されていたそうで、
奥の間から2階にかけての空間は、本当に…ほんとうに素敵なのです。
静かな中でそこに佇んでいると、時が一瞬止まったような錯覚におちいります。そして小鳥のさえずりでこの場所にひきもどされる・・・
もう一度…いつかもう一度、過去に旅してみたくなる…
そんな懐かしさを想う素敵な所なのです。上條4

『上條』

http://www.kamijo.com/

暖簾の誘惑には・・・まけつづけてもよいのです・・・

 

今年も、そしてこれからも…この場所で想うこと

今年は早くから雪が降り始めましたね。
安曇野から見える山にかかる厚い雲が
すっきりと切れた日に現れる白い山容は、
ため息が出るほど美しいのです。

信州の山小屋は、北信の雪深い地域では10月末に、
そして11月も3日あたりを最終に奥上高地の小屋も閉まります。
冠雪の頃、山頂を目指す人は極端に少なくなります。
そんな稜線を、目指す頂に向かってゆっくり慎重に歩を進める。
心にある色んなものごとを、ゆっくりゆっくり振り返りながら…燕8

いつも決まって行く場所があります。
季節ごと…そして、その時にしか出会えない景色を心にきざみこむ為に…燕1

お客様にも、そんな所があるのでしょうね。
いつまでも大切にして下さいね。

 燕2燕5

燕山荘…
11月の末頃まで、唯一開いている稜線上の山小屋です。
夜明け前の安曇野は、凍りつきそうなほどの大気をまとった
美しい宝石の様でした。